生前整理はじめました。

手放すための考え方

『生前整理』って知ってますか?

自分が亡くなる前に身の回りのモノを自分自身で整理することで、主に高齢の方が取り組まれるお片付けのことです。

不謹慎かもしれないし、縁起が悪いかもしれないけれど、私は常々

「生きてる間はずっと生前整理」だと思っています。

私がモノを減らし始めた大きなきっかけは、今から14年前に起こった東日本大震災でした。私の実家では大きな被害はなく、ものが壊れたりすることもありませんでしたが、被災された方々の自宅の様子を見たとき

「すべてのものを守ることはできない。大切なものは持ち出せるようにしておかなきゃ。」と

中学生ながら決意したことを覚えています。

大きな揺れによって倒れた大型家具、床に散乱した割れた食器たち、土砂にまみれた衣類や写真アルバム。

馴染み深い実家にあるモノたちが、災害時には自分の命を脅かすことになるかもしれない、避難経路を塞ぐ障害物になるかもしれない。実家を安全な場所にしなければ。大切なものはリュックに収まるようにしておかなければ。

そうして私は自分のモノを減らし始め、実家の片付けを始めました。

皆さんご存知の通り、日本は災害大国と言われ、年間約2000回も地震が起きています。地震だけでなく、大規模な山火事や、水害・土砂災害も毎年のように発生しており、これらは異常気象による記録的豪雨や乾燥によって引き起こされているそうです。

防ぎようもなく、予知しようもない、明日は我が身な自然災害。日本に定住する以上、災害対策は必要不可欠ではないでしょうか。災害対策と聞くと、食料備蓄や防災グッズを思い浮かべる方が多いと思います。もちろん災害時の水分や食料、排泄グッズの準備は大切です。備えあれば憂いなし。

しかし、「減らすことが防災になる」こともぜひぜひ知っていただきたい!!

無数の割れ物が収納された自分より大きな食器棚、大きい割に軽くて倒れやすいテレビ、ギッチギチに詰められた洋服により想像できない重さになった洋服箪笥…災害時に命を脅かしかねない家具家電が実家や自宅にある方、多いのではないでしょうか。

就寝中に地震が起きたとしたら、それらの倒壊から逃げられないかもしれない。被災するのが自分ではなく子どもやペット、高齢の家族かもしれない。すぐに助けに向かうことができない状況かもしれないし、家屋が歪み玄関扉が開かなくなってしまう可能性だってあります。地震の二次災害として発生する可能性が高い火災や津波が起きた場合、一分一秒を争う状況の中、モノが散乱しているせいで脱出に時間がかかってしまうかもしれません。

しっかり備蓄品を揃えていても、怪我をして動けなくなってしまっていては、元も子もないですよね。災害の備えはまず、安全な自宅づくりから。家具の固定はもちろんのこと、モノを減らすこともぜひ取り組んでいただきたいです。

長くなりましたが生前整理の話に戻りますね。

災害が起こり、避難する状況になったとき、大切なものだけでも持ち出せるよう、「自分にとって本当に必要なもの、大切なものだけを残そう」と片付けを進めていきました。万が一、自分が亡くなったときも、私のモノが家族の負担にならないように、すぐに見つけられるように、家族のためにも断捨離をしてきました。物理的なモノの整理に加えデジタル社会の昨今では、写真やデータ等デバイス内やクラウド上のモノも管理する必要があります。私の場合、銀行口座はゆうちょ銀行と楽天銀行を所有していますが、どちらも物理の通帳はなく、アプリで管理しています。楽天証券や楽天モバイル、マイナンバーや病院の診察券も、ほとんどの手続きをスマホからオンラインで済ませています。そのため私が亡くなった場合、各サイトにログインするためのIDとパスワードが分からなければ、家族が片付けに手こずってしまいます。というわけで最近は、マイナンバーカードや銀行カード等重要書類をまとめてあるファイルに、各サイトのログイン方法を書き記したメモを一緒に入れるようにしています。自分もうっかり忘れることがあるのでね。結局アナログです。

実家の片付けでかなりの時間をかけたのが、大量に印刷された幼少期の私や家族の写真たち。これらはまとまった時間がないと手をつけられない程の量でしたが、コロナ禍の自宅待機の時間を使ってアルバムにまとめることができました。幼い頃の自分の写真を整理することは、自分自身というよりは両親のためだな、と感じます。両親がこの先老いていくとき、いつでも思い出を振り返られるよう、アルバムを作りました。今は写真もデジタルの時代。クラウドなど無制限に保存できる場所もありますが、写真データが増えれば増えるほど、それを実際に開いて眺める機会って減るような気がします。あればあるほどいいってわけじゃない。というわけで今年は30歳になる節目の年なので、思い出深い写真だけを厳選して、印刷してアルバムを作ろうかなと思います。10年が1冊に収まればいいなぁ。

私がこの世とさようならするのはいつかなんて誰にもわかりませんが、その時はできれば、自分のものがリュック1つ分だけだったらいいなと思っています。私にとっての理想の最期です。

生きているとモノって勝手に増えていきますが、年齢を重ねるごとに自分の持ち物が洗練され、少数精鋭になることを目指して、これからもモノに向き合っていきたいです。

長々と書きすぎてアップまで3週間ほどかかってしまったこのブログ。ここまで読んでいただき感謝感謝です!謝謝!

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